きみのとなり


マンションに着く頃にはもうヘトヘト




「ただいま…」



私は力無く部屋に入ってそのまま廊下に倒れ込んだ。




「おかえりー、早いじゃない!具合は大丈…ってあんた!こんな所に寝転んでみっともない!」



「…頭いたーい…」



「やだー!だから休んだ方がいいって言ったのに。また帰らせてもらったんでしょ?早かったものね」



「…うん…」



私はもぞもぞと起き上がってポリポリと頭をかいた。



「部屋行くね…」



「寝るなら着替えなさいよー」


「はーい」



私は適当に返事をして自分の部屋に入った。




「…はぁ」



拓ちゃんのせいでため息ばっかり…




「…キス……」



してた




何だか、想像してたのよりも生々しくて…



ちょっと…汚いって感じた。




大好きな拓ちゃんなのに



大好きなのに




“汚い”って…思っちゃった




拓ちゃんのことも許せないけど


そう感じてしまう自分自身がもっと許せない。






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