きみのとなり


「っ…!」



私はベランダへ飛び出した。



雲一つない青空を見上げて…



大きく息を吸って…



「バァーーカ!!拓ちゃんなんかっ……!」




拓ちゃんなんか…



「っ……」



大好きだよ…




ねぇ拓ちゃん…気付いて…




「…誰がバカだって?」



「…へ」




う…そ……





「拓ちゃん!何でいるの!」



てゆうか来るの早っ!!




「走って来たから。未来…こないだも何も言わないで帰って、それから会ってなくて、やっと顔合わせた時は……あんな場面だったし…」



「……何で?」



「え?」



「何で河野さんなの」



「…未来?」



私は壁を飛び越えて拓ちゃんの胸目掛けて着地した。




「うわっ…未来!…って…」




何で


何で


何で



「何で!私じゃダメなの!!」


「…未来…」



「っ…」




拓ちゃんのバカ…



止まらない



止まらない




「好き」







< 45 / 338 >

この作品をシェア

pagetop