きみのとなり
私はドカッとベッドに倒れ込んだ。
拓ちゃん…困ってた。
困らせちゃった…
「…バカは私だ……」
本当、やになっちゃう。
「もう…疲れた…」
恋愛なんて楽しくない。
楽しくないよ…
苦しいだけ…
苦しいだけ…
どうして河野さんなのなんて言っちゃったけど、分かるわけないよ
好きなんて気持ちだもの。
「拓ちゃんのバカ」
また呟く。
もう、好きな人として見ちゃダメだ。
拓ちゃんは私を幼なじみとしてしか見ていない。
だから私も……
「幼なじみ…」
悲しいし苦しいけどね、それが現実なんだ。
河野さんは嫌いでも彼女が拓ちゃんの彼女。
それが現実。
ああ…
好きな人の好きな人のことも好きになれればいいのに…
その夜は打ち上げ花火の音が悲しく辺りに響いていた。