きみのとなり
勉強なんて偉いな。
私なんて勉強より別のことにかまけてるし。
成績採れてるからって油断してるんだよな…
「そうだよね。鈴木君の言う通りだよね」
「未来!!」
「みぃたん!?」
私は両手でガッツポーズを作り鈴木君の目を見つめた。
「な…何だよ」
「だから私…行かない!」
「は?」
鈴木君はキョトンとしている。
「ええー未来!!」
一方で梢はひどく落ち込んでいる。
私は立ち上がり残念がっている梢に微笑んだ。
「でも」
「へ?」
「花火は見よう!」
私は得意げに笑ってみせた。
「意味不明だよ未来」
「ふふーん。あのね、私の家のベランダから花火、見えるの。そりゃあもう綺麗に。そこで毎年たく……」
私は思わず出てしまいそうになった名前に、口をつぐんだ。
「未来?」
「何でもない…ごめん…あはは」
何となく空気が重くなってしまい私は笑ってごまかした。