きみのとなり
みんな
「なんだよー」
と言って笑ってくれたから良かった。
ただ気のせいかもしれないけど、鈴木君だけは笑っていなかった。
「だから、うちから見ればわざわざ隣町行かずに済むでしょ?」
「ナイス!みぃたん頭いい!」
「ね、鈴木君も一緒に見よう!」
私はペンを握ってムッとする鈴木君に
にっこりと微笑んでみせた。
「……行くよ…」
「ほんと!?やったー!梢!鈴木君行くってー」
「まじ!!よっし!」
「斗真~」
梢と田中君は勉強そっちのけで喜んだ。
子供みたいに跳び上がって、本当に嬉しそう。
私はチラッと鈴木君を見た。
鈴木君も私と同じように二人を見て微笑んでいた。
本当は優しい鈴木君。
もっと素直になればいいのに。