きみのとなり


「じゃあ6時に私の家集合ね」


私は鞄に勉強道具をしまいながらみんなに言った。



玄関に向かい、私達は靴を履いて手を振った。




「また後で」




鈴木君が私の肩にポンと手を置いた。




「うん!じゃあね」



私は鈴木君に手を振った。




別に、拓ちゃんがいなくても花火は見れるもん。




みんなで見るから、いいもん。


みんなで…



「え…」




何で…?



え…



拓ちゃんの高校の横を歩いている時だった。



一瞬見間違えだと思ったけど、見間違えじゃない。




「…河野さん?」



目の前を河野さんが歩いている。



しかも、拓ちゃんじゃない男の人を連れて…




「い…み…分かんない…」



分かんない



どういうこと…?



だって拓ちゃんと付き合ってるんでしょ?



意味分かんない



意味…分かんないよ…



それじゃあ私がこうやって拓ちゃんにも会わないようにしている意味がないよ…




「…っ」



頭がクラクラしてきて、私はそのまま全力で走った。







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