きみのとなり


「お邪魔しまーす」



6時になり、梢、田中君、鈴木君がやって来た。



「あら、梢ちゃん、久しぶりねぇ」



「おばさーん!久しぶり!」



梢とお母さんは会うなり二人で抱き合って再会を喜んだ。




「…えと…」



鈴木君はその様子を困ったように眺めていて、私はクスクス笑いながらベランダを指さした。


「いいの。いつもこうだから」


「へー」



私達は梢とお母さんを放っておいてベランダに出た。



「みぃたんのお母さん楽しそうな人だね」



田中君はニコニコして言った。



「うん。楽しいよ!」



私はそれにニッとして返した。



「ちょっと~!私を置いて行かないでよ」



そこへ梢乱入



「ほんと!お母さんのことも置いて行ってー!」



「ちょっ!お母さん!」



お母さんもどさくさに紛れて乱入してくるから私はハァとため息をついた。



「お母さんはいいの!あっち行っ…」



「いいじゃん」



「え?」




みんなはその声の主へクルッと顔を向けた。





< 62 / 338 >

この作品をシェア

pagetop