きみのとなり
私は横で田中君とじゃれ合う鈴木君を見た。
かっこいいし優しいけど……
「好きとか…そういうのはない…」
多分…ない…
「そっかあ…残念」
「…残念って…何それ」
私はぷうと頬を膨らませた。
パーンッーー
「お!そろそろ終わりだ!」
田中君のその一言でみんな一斉に花火に目を向けた。
「また来年…みんなで見ようね」
私は花火を見ながら呟いた。
「うん…絶対見よう」
梢も頷いてくれた。
「啓太とまたかあ…」
「みぃたんがどーしてもって言うならしょうがないね」
田中君も鈴木君も笑いながら了解してくれた。
ごめんね…みんな…
多分みんなは分かってないけど来年もね
拓ちゃんは私の隣にいないから…
ずるいけど
分かってるけど…
ごめんね…
その夜、花火が終わるまで、みんなは笑っていたけど
私は隣のベランダを気にしながら花火が終わるのを待った。