きみのとなり
「だからぁ~!ジグザグに蹴れって言ってんのに何で真っ直ぐに蹴るんだよ!」
あ…あれ?
正夢?
私はガクッとうなだれた。
「拓ちゃん…私、向いてないよ…」
「……」
私はティーシャツについた土をパンパンと払いながら言った。
「今日は終わるか?」
私は首を大きく横に振った。
「…拓ちゃんがせっかく来てくれたから、頑張るよ…」
心配して駆け寄って来てくれた拓ちゃんに私はニッと笑った。
「…分かった」
拓ちゃんもニッと笑って私の頭を撫でてくれた。
そんな優しさにちょっと胸が痛む。
「よしっ!もっかいやろう」
「うん…」
私は流れる汗を拭いて笑った。
拓ちゃん…やっぱり私…
拓ちゃんが好きだよ。