きみのとなり
次の日も、拓ちゃんは来てくれた。
この日は裕介と真美ちゃんも一緒で、真美ちゃんは応援
拓ちゃんと裕介は私の特訓に付き合ってくれた。
「未来は真っ直ぐに蹴るのが得意みたいだからシュートは何本か入るだろ」
拓ちゃんはクスクスと笑いながら嫌みっぽく私を見た。
「むー…バカにしてるでしょ」
「してないよ!褒めてるだけだし!」
「もう!!」
私はキュッと高い位置で髪を結んで、右足でボールを蹴った。
「……あれ?」
なぜ…
「なんでえ!?」
「俺が聞きたい。何で…」
「なぁ?言っただろ兄ちゃん」
「未来ちゃん!ドンマイ!」
なぜ…
何で…
「真っ直ぐいかない…」
これじゃあパスも出せない。
「未来!軸足を考えて。大丈夫!それとも、もう終わりにする?」
「…まだ…頑張る」
私はティーシャツの袖を腕まくりしてボールを拾いに行った。