きみのとなり
私はマンションまでの道を
膝にガンガンとコーンを当てながら歩いた。
「重い…」
『もっと…ちゃんと…私を見てよ…』ーー
「…思い…知らされたなぁ」
私は独り言を言いながら歩く。
何で私…
拓ちゃんの隣にいれないんだろう…
あそこはずっと私の場所だったのに。
「っ…」
河野さんを優先させる拓ちゃん。
いっそのこと、嫌いになれればどれだけいいか。
離れようと思っても、拓ちゃんはまた優しくするでしょう?
彼女になれないなら、そんな優しさいらないのに…
だけど悔しいのは…
拓ちゃんを嫌いになれないこと。
拓ちゃん。
そばにいたいの。
どんな形でも…