きみのとなり
『3組優勝!未来ヒーローだよ!!』
メールを送ってきた相手は梢だった。
「…っ…拓ちゃん!!優勝!優勝したぁ!!」
私はバタバタと足を振って喜んだ。
「あ…いたぁ…」
「おバカ!酷くなったら困るだろ!」
「……ごめんなさい…」
「…うん。分かれば…よろしい…」
「……」
何となく気まずくなってしまった。
拓ちゃんが何も喋らないから、私まで黙ってしまう。
本当はもっと話したい。
本当はもっと甘えたい。
だけど…やっぱり、そんなことできないや…
話そうと思えば話せる。
甘えようとすれば甘えられる。
でも……
「…拓ちゃん……」
「んー?」
拓ちゃん…
「…痛い」
「…我慢しなさい!」
「痛いよ…」
「はいはい」
拓ちゃん…
痛い。
胸が痛いよ。
前みたいに本心を拓ちゃんに言えないから、たくさん話したり、甘えたりって…もう…
したくてもできないんだ…