きみのとなり
重い気持ちのまま、私は部屋を出た。
「あ!未来やっと来た!」
「あ…」
食卓には、嬉しそうに箸を持っている裕介と…
「早く座れよ」
「うん…」
拓ちゃんがいた。
何だか変に意識しちゃう。
私はできるだけ裕介と話すようにしてご飯を食べていた。
「もっらいー!!」
「あー!最後の一つ!俺が食べようと思ったのに!!」
私はお皿に残った最後の一つのから揚げを、裕介が取る前に箸で掴み、口に入れた。
「おいひー!!」
「大人気ないぞ!未来!!ずるい!」
「まだ中学生だもーん」
「中学生って、もう3年だろ!ずる!」
「聞こえなーい」
私は裕介にいじわるく微笑んでから揚げを飲み込んだ。
「あー!!もう!!」
裕介は頭を抱えて悔しがっている。
「こら!未来!」
「う゛…」
今まで笑っていた私は、瞬時に眉間にシワを寄せて
その声の方へ顔を向けた。