ご主人様はペット様
チラッと、杏奈のほうを見てみる。
……………っ…。
意外な反応だった。
顔を真っ赤にして、涙目にして上目遣いで俺を見てくる。
そんな杏奈が可愛くて、ついジィーっと見てしまう。
「…そ、そんなに見るなバカァ……」
…お前はツンデレかッ!!
可愛すぎだろオイ!!
「なぁ…返事は?」
「………好きだ、バカ。言わせるな」
…………え、今…。
「マジっ!?」
「嘘でこんなこと言えないわよぉ」
小さく、震えていた声は今にも消えそうで、でも俺の耳にはちゃーんと、聞こえていた。
「へへっ…」
俺は、嬉しさのあまり杏奈に抱きついた。
「ほえっ!?」
変な声を出しながらも、俺に応えてくれる。
体は素直だな…。