雲に届け 想い
沙織は何かを閃いたかのような顔をした。

「昨日、帰り際に写真撮ったでしょ? 雲の。
あの雲、私の町がある雲なの。
で、雲って風が吹くと形が変わっちゃうでしょ?
でも、その雲は形が変わらないの。
いま空にある雲と、昨日写真撮った雲、見比べてごらん」

そう言われ、誠は携帯を取り出した。

データフォルダの中から、昨日撮った写真を画面に映し出し、頭上の雲と見比べた。
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