僕たちの時間(とき)
「――自分でも、もうわかっているんでしょう……?」
「えッ……?」
「それは……決して1番にはなれない“好き”のカタチね……」
「それ、はっ……!」
「私はっ! ――私を一番に好きになってくれない男なんて……嫌いよッ………!!」
「遥……」
「手、放して。もう私なんか放っておいて。さっさと自分の“1番”のもとへでも行っちゃいなさいよッ……!」
言われた通りに、僕は手を放した。
遥の気持ちが痛いほどにわかって、とても苦しく……そして、とても嬉しくて。
だが、僕は首を横に振った。
「オレは……水月のところには戻れない……」
「え…!?」
「聡!?」
遥と光流、2人が同時に僕を振り返った。
驚いたように、僕を見つめている。
しかし僕は、もう1度しっかりと首を振った。
「光流にも、遥にも、いろんな人に助けられてて、守られて……そして迷惑かけて、傷つけて……。――こんなオレに、水月のところへ戻れる資格なんて無い。それに、こんな子供(ガキ)のままのオレじゃあ、水月に合わせる顔も、ない……」
「バカ、聡! 何この期に及んで意地張って……!」
「違う、光流。意地なんかじゃなくて……水月が望んだことだから……オレと別れることを望んだのは水月で……だから、水月が望むなら、オレはその通りにする……それしか、オレがしてやれることは無いから……」
「なッ…!? だからおまえはバカだって……!」
「――サトシ!」
何か言いかけた光流を遮り、遥が僕の名を呼んだ。
どことなく厳しい声音で。
「それでいいの? サトシは」
ドクッ…! 心臓が高鳴る。
何かが僕の心を抉った。
「えッ……?」
「それは……決して1番にはなれない“好き”のカタチね……」
「それ、はっ……!」
「私はっ! ――私を一番に好きになってくれない男なんて……嫌いよッ………!!」
「遥……」
「手、放して。もう私なんか放っておいて。さっさと自分の“1番”のもとへでも行っちゃいなさいよッ……!」
言われた通りに、僕は手を放した。
遥の気持ちが痛いほどにわかって、とても苦しく……そして、とても嬉しくて。
だが、僕は首を横に振った。
「オレは……水月のところには戻れない……」
「え…!?」
「聡!?」
遥と光流、2人が同時に僕を振り返った。
驚いたように、僕を見つめている。
しかし僕は、もう1度しっかりと首を振った。
「光流にも、遥にも、いろんな人に助けられてて、守られて……そして迷惑かけて、傷つけて……。――こんなオレに、水月のところへ戻れる資格なんて無い。それに、こんな子供(ガキ)のままのオレじゃあ、水月に合わせる顔も、ない……」
「バカ、聡! 何この期に及んで意地張って……!」
「違う、光流。意地なんかじゃなくて……水月が望んだことだから……オレと別れることを望んだのは水月で……だから、水月が望むなら、オレはその通りにする……それしか、オレがしてやれることは無いから……」
「なッ…!? だからおまえはバカだって……!」
「――サトシ!」
何か言いかけた光流を遮り、遥が僕の名を呼んだ。
どことなく厳しい声音で。
「それでいいの? サトシは」
ドクッ…! 心臓が高鳴る。
何かが僕の心を抉った。