僕たちの時間(とき)
 もう立ち止まらない。

 もう迷わない。

 やっと見えた僕の道だ、見失ってたまるものか。

 真っ暗な夜のようだった。…そう思う。

 でも、夜にはいつか夜明けがくる。

 暗闇を照らす道しるべ、月。

 そして朝を呼ぶ太陽。

 ――僕にとってのそれらは水月だった。

 求めるものは。

 行き着くところは。

 常に水月のもとでしか有り得ない。

 だから僕は走る。

 月と太陽を求めて……水月へと向かって……!


 ――朝を目指して、僕は夜の中を走り続ける……!
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