僕たちの時間(とき)
*
――コンコン。
「ハイ? お姉ちゃん……?」
ノックに、中から水月の応える声がした。
僕は何も言わずにキィッとドアを開ける。
部屋の中は宵闇の帳(とばり)に包まれ、ただ窓のほの白い明かりが、ベッドに起き上がっている水月の輪郭(かたち)を描いていた。
「誰……?」
水月が問うた。
僕は手さぐりで壁に電灯のスイッチを探す。
あかりを点けると、その眩しさに、一瞬、目が眩(くら)んだ。
「さとし…くん……?」
眩しさに目を細め、それでも必死に瞳を凝らして、水月は呟く。
そして叫んだ。
「聡くんなのね!?」
「あぁ……」
2人の間に気まずい沈黙が流れる。
僕の耳には、時計のチクタクと時を刻む音だけが、妙に大きく響いていた。
―――その静寂を、水月が破った。
「なぜ、来たの?」
「…………」
「何しに、来たの……?」
「おまえと……話をするために……」
「話…? 私は話すことなんてないわ。もう面会時間も過ぎてるし、帰って……」
「嫌だ!!」
言い放った僕を驚きを湛えて見つめる、その瞳を捕らえて。
僕は叫ぶように吐き出していた。
「オレはもう後悔したくない! 後悔するのは嫌なんだ!!」
――コンコン。
「ハイ? お姉ちゃん……?」
ノックに、中から水月の応える声がした。
僕は何も言わずにキィッとドアを開ける。
部屋の中は宵闇の帳(とばり)に包まれ、ただ窓のほの白い明かりが、ベッドに起き上がっている水月の輪郭(かたち)を描いていた。
「誰……?」
水月が問うた。
僕は手さぐりで壁に電灯のスイッチを探す。
あかりを点けると、その眩しさに、一瞬、目が眩(くら)んだ。
「さとし…くん……?」
眩しさに目を細め、それでも必死に瞳を凝らして、水月は呟く。
そして叫んだ。
「聡くんなのね!?」
「あぁ……」
2人の間に気まずい沈黙が流れる。
僕の耳には、時計のチクタクと時を刻む音だけが、妙に大きく響いていた。
―――その静寂を、水月が破った。
「なぜ、来たの?」
「…………」
「何しに、来たの……?」
「おまえと……話をするために……」
「話…? 私は話すことなんてないわ。もう面会時間も過ぎてるし、帰って……」
「嫌だ!!」
言い放った僕を驚きを湛えて見つめる、その瞳を捕らえて。
僕は叫ぶように吐き出していた。
「オレはもう後悔したくない! 後悔するのは嫌なんだ!!」