僕たちの時間(とき)
やっと出たその声に、藤沢は驚いたように言葉を止めた。
その瞳が不思議そうに僕を見つめる。
「オレだって、ここに来ようと何度も思ってたんだ。でも……」
顔に血がカァッと上ってくるのを感じながら、僕は続ける。
「ここは…“聖域”、だったから……」
「え……?」
「藤沢は、オレにとって“天使”だったから……“天使”だけしか入れない“聖域”に、オレみたいなヤツが入ることなんて許されないって……そう、思ってたから……!!」
言ってて、ものすごく恥ずかしかった。
この時の僕の顔は、きっと思いっきり真っ赤だったことだろう。
でも、藤沢にだけは嘘は吐けなかった。吐きたくなかった。
あの、真っ直ぐな瞳にだけは……!
赤くなって俯いた僕を見、少しの沈黙の後、藤沢は言った。――クスッと笑って。
「やっぱり、渡辺くんだ」
「え……?」
顔を上げた僕の目に、いつか見た“天使の微笑み(エンジェル・スマイル)”が映っていた。
「やっぱり、私が思ってた通りの渡辺くんだった」
「藤沢……?」
「私もね、そんな渡辺くんが好き」
「えっ…!?」
いきなりキッパリはっきり言われて面食らった僕に、とびきりの笑顔を添えて、彼女は言った。
「ここが“天使の聖域”なら、渡辺くんにだって相応しいところだよ。だって渡辺くんは、私の“天使”になってくれた人なんだから!」
見つめ合う僕達を優しく風が包み、花びらをのせて舞い上がる。
僕の心はもう、あたたかく優しい“水”で、満たされ、癒されていた。
「さんきゅ……」
やっと僕は笑みを浮かべ、藤沢にそう告げる。
それから、いつの時代でも変わらない…たった1つの、想いを伝える言葉を……、
花びらと共に、風にのせた。
「オレも、おまえが……」
―――好きだ……!
その瞳が不思議そうに僕を見つめる。
「オレだって、ここに来ようと何度も思ってたんだ。でも……」
顔に血がカァッと上ってくるのを感じながら、僕は続ける。
「ここは…“聖域”、だったから……」
「え……?」
「藤沢は、オレにとって“天使”だったから……“天使”だけしか入れない“聖域”に、オレみたいなヤツが入ることなんて許されないって……そう、思ってたから……!!」
言ってて、ものすごく恥ずかしかった。
この時の僕の顔は、きっと思いっきり真っ赤だったことだろう。
でも、藤沢にだけは嘘は吐けなかった。吐きたくなかった。
あの、真っ直ぐな瞳にだけは……!
赤くなって俯いた僕を見、少しの沈黙の後、藤沢は言った。――クスッと笑って。
「やっぱり、渡辺くんだ」
「え……?」
顔を上げた僕の目に、いつか見た“天使の微笑み(エンジェル・スマイル)”が映っていた。
「やっぱり、私が思ってた通りの渡辺くんだった」
「藤沢……?」
「私もね、そんな渡辺くんが好き」
「えっ…!?」
いきなりキッパリはっきり言われて面食らった僕に、とびきりの笑顔を添えて、彼女は言った。
「ここが“天使の聖域”なら、渡辺くんにだって相応しいところだよ。だって渡辺くんは、私の“天使”になってくれた人なんだから!」
見つめ合う僕達を優しく風が包み、花びらをのせて舞い上がる。
僕の心はもう、あたたかく優しい“水”で、満たされ、癒されていた。
「さんきゅ……」
やっと僕は笑みを浮かべ、藤沢にそう告げる。
それから、いつの時代でも変わらない…たった1つの、想いを伝える言葉を……、
花びらと共に、風にのせた。
「オレも、おまえが……」
―――好きだ……!