僕たちの時間(とき)
「どんな方だったんですか、その人……」
差し出がましかったかしら……!?
言ってしまったすぐ後でハッとする。
でも聞いてみたかったのだ。
――何故かはわからないのだけど……。
しかし彼は、
「優しくて……それでいて強いひとだったよ」
その彼女がすぐ隣にでもいるような気軽さで、嬉しそうに答えてくれる。
「あいつがいるだけで、周りが幸せになれるような……“天使”のようなひと、だった」
「――幸せ…だったんですね……あなたも、その“彼女”も……」
ポロッとこぼれた私のその一言で。
彼は驚いたように振り返り、私を凝視した。
「君っ……!?」
「あ、ごめんなさいっ…! あなたが彼女のことを本当に愛していたんだろうなって、思ったら、つい……」
さすがに出過ぎたマネをしたらしい。
私はとにかく謝った。
「ごめんなさい……」
しかし彼は、別段怒りもしなかった。
それどころか、不意にふわっと微笑みかけてくれたのだ。
とてもとても、柔らかな優しい笑顔で。
「それだけで……『幸せ』だったと、思ったの……?」
その笑みは、私の胸をときめかせる。
(なんてキレイな表情で笑うんだろう……)
「あ、ハイ、あのっ…! さっき『“天使”のようなひと』だって言ってたから……きっと彼女の方もあなたを“天使”だと思ってたんだろうなって、そんな気がして……そこまで想い合えたら、きっとお互いすごく幸せだったろうなって……そう、思って……」
ドキドキしてシドロモドロになりながらも、やっとのことで言い終えて彼を見上げると。
彼は、また私を凝視していた。
私が話し止んだことにも気付かない様子で。
「あの……何か……?」
(気に障ったことでも、言ってしまったのだろうか……?)
戸惑いながらそう聞くと、彼はそこで我に返ったようにハッとし、そして軽く微笑んだ。
差し出がましかったかしら……!?
言ってしまったすぐ後でハッとする。
でも聞いてみたかったのだ。
――何故かはわからないのだけど……。
しかし彼は、
「優しくて……それでいて強いひとだったよ」
その彼女がすぐ隣にでもいるような気軽さで、嬉しそうに答えてくれる。
「あいつがいるだけで、周りが幸せになれるような……“天使”のようなひと、だった」
「――幸せ…だったんですね……あなたも、その“彼女”も……」
ポロッとこぼれた私のその一言で。
彼は驚いたように振り返り、私を凝視した。
「君っ……!?」
「あ、ごめんなさいっ…! あなたが彼女のことを本当に愛していたんだろうなって、思ったら、つい……」
さすがに出過ぎたマネをしたらしい。
私はとにかく謝った。
「ごめんなさい……」
しかし彼は、別段怒りもしなかった。
それどころか、不意にふわっと微笑みかけてくれたのだ。
とてもとても、柔らかな優しい笑顔で。
「それだけで……『幸せ』だったと、思ったの……?」
その笑みは、私の胸をときめかせる。
(なんてキレイな表情で笑うんだろう……)
「あ、ハイ、あのっ…! さっき『“天使”のようなひと』だって言ってたから……きっと彼女の方もあなたを“天使”だと思ってたんだろうなって、そんな気がして……そこまで想い合えたら、きっとお互いすごく幸せだったろうなって……そう、思って……」
ドキドキしてシドロモドロになりながらも、やっとのことで言い終えて彼を見上げると。
彼は、また私を凝視していた。
私が話し止んだことにも気付かない様子で。
「あの……何か……?」
(気に障ったことでも、言ってしまったのだろうか……?)
戸惑いながらそう聞くと、彼はそこで我に返ったようにハッとし、そして軽く微笑んだ。