僕たちの時間(とき)
 訪れるはずもないとわかっている“未来”の話を、水月が笑いながら当たり前のことみたいに語るようになったのは。

 一体、いつの頃からだったろう……。


 1つに重なった2人の影が、傾きかけた陽の光によって地面に長く長く描かれていたのを。

 僕はまだ、ハッキリと思い出せる。
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