僕たちの時間(とき)
『水月はオレの“水”なんだ』
いつだったか、聡が照れくさそうに言ったことがある。
その言葉通り……涙を奪われてカラカラに干からびかけていた聡の渇ききった心を、彼女は包み込むように愛することで、潤いを与えた。
―――やはり愛する者を失った哀しみは、再び人を愛し、愛されることでしか、癒(いや)されることは無いのだと……それを俺が悟ったのも、この時だった。
聡も……心の奥底ではきっと、そんな苦しみから抜け出したいと願っていたに違いない。
他のすべてを癒すかの如く穏やかな空気を持つ彼女に、聡は次第に惹かれてゆき……そして、彼女を愛するようになった。
愛し、愛されて……そして2人は、まるで“理想”ともいえる“恋人同士”という関係に、なっていった。
そんな2人を間近でずっと見てきた俺は、これからもずっと、いつまでも2人がそんな関係で続いていくことを、信じて疑わなかった。
聡は、そうやっていつの日にか、藤沢に自身の“傷”を、いつの間にか完治させてもらえるのだろうと……。
―――でも、聡は泣いた。俺の前で、再び………。
いつだったか、聡が照れくさそうに言ったことがある。
その言葉通り……涙を奪われてカラカラに干からびかけていた聡の渇ききった心を、彼女は包み込むように愛することで、潤いを与えた。
―――やはり愛する者を失った哀しみは、再び人を愛し、愛されることでしか、癒(いや)されることは無いのだと……それを俺が悟ったのも、この時だった。
聡も……心の奥底ではきっと、そんな苦しみから抜け出したいと願っていたに違いない。
他のすべてを癒すかの如く穏やかな空気を持つ彼女に、聡は次第に惹かれてゆき……そして、彼女を愛するようになった。
愛し、愛されて……そして2人は、まるで“理想”ともいえる“恋人同士”という関係に、なっていった。
そんな2人を間近でずっと見てきた俺は、これからもずっと、いつまでも2人がそんな関係で続いていくことを、信じて疑わなかった。
聡は、そうやっていつの日にか、藤沢に自身の“傷”を、いつの間にか完治させてもらえるのだろうと……。
―――でも、聡は泣いた。俺の前で、再び………。