僕たちの時間(とき)
“最後のデート”の後しばらく……以前に比べ、藤沢の容態は悪化した。
やはり彼女には、外出ということ自体に多少の無理があったのかもしれない。
でも、誰も聡を責めたりはしなかった。
たぶん伝わっていたから。周囲の皆には。
――2人の想いが……結ばれた、2人の“絆”というものの強さが。
季節は真冬を迎えようとしている現在……彼女は小康状態を保っていたが、それでもまだ予断を許されない状態にあった。
聡は、藤沢がどんな状態の時も、常に彼女の傍らに居た。
そして彼女の手を握っては優しく微笑んでいた。
今も変わらずに、そうして彼女の隣に居る。
―――そんな2人を最も近くで見続けていたのが……おそらく満月だったに違いなかった。
やはり彼女には、外出ということ自体に多少の無理があったのかもしれない。
でも、誰も聡を責めたりはしなかった。
たぶん伝わっていたから。周囲の皆には。
――2人の想いが……結ばれた、2人の“絆”というものの強さが。
季節は真冬を迎えようとしている現在……彼女は小康状態を保っていたが、それでもまだ予断を許されない状態にあった。
聡は、藤沢がどんな状態の時も、常に彼女の傍らに居た。
そして彼女の手を握っては優しく微笑んでいた。
今も変わらずに、そうして彼女の隣に居る。
―――そんな2人を最も近くで見続けていたのが……おそらく満月だったに違いなかった。