僕たちの時間(とき)
「君、2組の竹内くん…だよね?」
ふいに自分へと話を振られて、「はい…!?」と、慌てて僕は椅子から立ち上がる。
「そうだけど……僕に、何の用?」
「あれ? 君、ケンから何も聞いてないの?」
「『何も』って…、――何を……?」
「ケーンー……?」
途端、僕と生徒会長、ついでに渡辺クン、3人分の白い視線が、戸口でヘタり込んだままの葉山へと一斉に集中する。
にも拘らず、「うん、言ってねえ」と、ヤツは悪びれもせずシレっと言ってのけた。
…だから、何だっていうんだ一体?
「まあ、いいじゃねーか。そんな細かいことは」
「『細かいこと』じゃねーだろうが! だいたいオマエは、いつもいつもッ……!」
「あーはいはい、わーったわーった! じゃあ、いま言えばいいだろ?」
立ち上がりながら、何事か文句でも言いたげな会長へ手を翳しつつ、無理矢理その言葉を遮って。
そして葉山は、そのまま振り返って「竹内」と、おもむろに僕を呼んだ。
「つーワケで。――オマエ、ウチのキーボードに決定な?」
「はいっ……!?」
――正真正銘、まさに言葉通り、言われたことの意味が分からないんですけれども……?
キョトンと目を瞠って見上げた僕の視線を、真っ向からニヤリと見つめ返して。
まるで悪巧みをする子供のように、それを葉山は、楽しげに、言った。
「俺たち“4人”でバンド組むことになったから。つーワケで、オマエがウチのキーボード担当。――OK?」
――そんなもん……どー考えたって『OK』と言えるハズもないだろうがよ?
ふいに自分へと話を振られて、「はい…!?」と、慌てて僕は椅子から立ち上がる。
「そうだけど……僕に、何の用?」
「あれ? 君、ケンから何も聞いてないの?」
「『何も』って…、――何を……?」
「ケーンー……?」
途端、僕と生徒会長、ついでに渡辺クン、3人分の白い視線が、戸口でヘタり込んだままの葉山へと一斉に集中する。
にも拘らず、「うん、言ってねえ」と、ヤツは悪びれもせずシレっと言ってのけた。
…だから、何だっていうんだ一体?
「まあ、いいじゃねーか。そんな細かいことは」
「『細かいこと』じゃねーだろうが! だいたいオマエは、いつもいつもッ……!」
「あーはいはい、わーったわーった! じゃあ、いま言えばいいだろ?」
立ち上がりながら、何事か文句でも言いたげな会長へ手を翳しつつ、無理矢理その言葉を遮って。
そして葉山は、そのまま振り返って「竹内」と、おもむろに僕を呼んだ。
「つーワケで。――オマエ、ウチのキーボードに決定な?」
「はいっ……!?」
――正真正銘、まさに言葉通り、言われたことの意味が分からないんですけれども……?
キョトンと目を瞠って見上げた僕の視線を、真っ向からニヤリと見つめ返して。
まるで悪巧みをする子供のように、それを葉山は、楽しげに、言った。
「俺たち“4人”でバンド組むことになったから。つーワケで、オマエがウチのキーボード担当。――OK?」
――そんなもん……どー考えたって『OK』と言えるハズもないだろうがよ?