僕たちの時間(とき)
「ホント、つくづく思うんだけどさ……」

「何だよ」

「おまえと藤沢さ、よく続いてるなぁー…と思って」

 歩きながら、光流はしみじみとそう言った。

「悪い意味じゃなくて。――ホラ以前、おまえ昔からその見た目の無愛想さでモテまくってた時期があったじゃん? “男は無口な方がいい”を地でやっててクールだ、とかいう理由で。全っ然そんなことないのになー笑えるくらい!」

「――ケンカ売ってる……?」

「イヤ別に。――それにひきかえ藤沢の場合は、何となくほわーっとしたあったかい感じがあるだろ? 全く正反対の〈水と油〉…ならぬ“冷水とお湯”ってなイメージでさ。だから俺も最初に聞いた時はすぐに信じられなかったし、俺だけじゃなく、誰もおまえと藤沢の組み合わせなんざ、考えもしなかったと思うぞ」

「悪かったな」

「だから悪い意味じゃねーって! なのに続いてて、もう長くなるよなーって……1年半くらい…に、なるんだっけ……?」

「まぁ、な……」

「2人を見てても全然、無理してるようになんて、見えないし。だからきっと、おまえ達似てるんだよ。藤沢にいろいろと世話になって、助けられて……何となくおまえ達が一緒にいるワケ、わかったように思ったし」

「そうか……?」

「おまえ達2人、きっとどこかが同じなんだろうな。結局のとこはさ」

「そーいうことに、なるんだろーな……」

 そう呟き、そして僕は黙りこみ、残りのジュースを一気に喉へ流し込んだ。
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