僕たちの時間(とき)

3.CLOUDY HEART ――不安

 もう見慣れた道を、僕は1人、てくてくと歩いていた。

 閑静な住宅街。ところどころで小さな子供達が遊んでいる。

 いいところだと、来るたびに僕はしみじみ感じる。

 どことなく上品で落ち着いた佇まいの家が立ち並ぶここは、こうした住宅地になる前はすべて田んぼだったせいもあり、静かでのどかで……僕のウチがある駅周辺の市街地の喧騒とは、えらい違いだ。

 その住宅地の中を、僕は歩いていた。

 何度も訪れたことのある、水月の家へと向かって……。


 あの日から、もう1週間が過ぎようとしている。

 なのに、水月からは何の音沙汰もなく、フッツリと連絡は途絶えたままだった。

“あの日”、以来……。
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