僕たちの時間(とき)
5.TRUTH ――真実
「連絡しなくてごめんなさい……余計な心配とか、させたくなかったから……」
俯き、黙ったまま座る僕に向かって。
その正面で、ベッドの上に腰掛けて水月は言った。
「聡くん、今バンドの方で大切な時なのに……私のことで気を煩わせたりしちゃ、申し訳ないもの」
口許にほわっとした笑みを浮かべて……。
しかし、それが戸惑いの笑みであることが、僕にははっきりとわかっていた。
でもそうとはいえ、あんなに見たかった水月の笑顔なのに……!
あんなに会いたくて…話したくて仕方なかった水月が今、僕のすぐ目の前にいるのに……!
それでも……俯いた顔を上げて真っ直ぐに水月を見つめることなど、今の僕には到底できそうもなかった。
水月の言葉に返答することすら、できない。
胸の中の想いと、頭の中の思考が、記憶されている知識さえも、全てがフルスピードでぐるぐる回って混ざり合ってミックスジュースにでもなっている感じだ。
きっともう、既に脳ミソはとろけてしまっていることだろう。
僕は今、何をすればいいのか…どう対処したらいいのか、あまりにも突然すぎて為す術が見つからない。
『私の病気……』
ふいに水月のセリフが耳の奥で甦った。
次に続くのは、無知な僕でさえ知っている、あまりにもポピュラーな病名。
それが行き着く先は…、――“1つ”、だけ……?
(そんなこと、信じたくない……!)
一体どういうことなんだ……! 何で水月が、こんな……!
僕は…僕はッ……!!
(一体、どうすればッ……!!)
俯き、黙ったまま座る僕に向かって。
その正面で、ベッドの上に腰掛けて水月は言った。
「聡くん、今バンドの方で大切な時なのに……私のことで気を煩わせたりしちゃ、申し訳ないもの」
口許にほわっとした笑みを浮かべて……。
しかし、それが戸惑いの笑みであることが、僕にははっきりとわかっていた。
でもそうとはいえ、あんなに見たかった水月の笑顔なのに……!
あんなに会いたくて…話したくて仕方なかった水月が今、僕のすぐ目の前にいるのに……!
それでも……俯いた顔を上げて真っ直ぐに水月を見つめることなど、今の僕には到底できそうもなかった。
水月の言葉に返答することすら、できない。
胸の中の想いと、頭の中の思考が、記憶されている知識さえも、全てがフルスピードでぐるぐる回って混ざり合ってミックスジュースにでもなっている感じだ。
きっともう、既に脳ミソはとろけてしまっていることだろう。
僕は今、何をすればいいのか…どう対処したらいいのか、あまりにも突然すぎて為す術が見つからない。
『私の病気……』
ふいに水月のセリフが耳の奥で甦った。
次に続くのは、無知な僕でさえ知っている、あまりにもポピュラーな病名。
それが行き着く先は…、――“1つ”、だけ……?
(そんなこと、信じたくない……!)
一体どういうことなんだ……! 何で水月が、こんな……!
僕は…僕はッ……!!
(一体、どうすればッ……!!)