僕たちの時間(とき)
(あぁ、そうか……)
やっとわかった。“あの瞳”の語る意味……。
あんな瞳の色……それは、あきらめ。絶望。…深い、悲しみの色。
悲しい心が映し出す、
深い深い、哀しみの色……。
(水月……)
それをみとめた僕は、無意識の内に立ち上がっていた。
だけど水月は、そんな僕を見ようともしなかった。
声をかけてもくれなかった。
ただじっと、窓の外だけを見つめていた。
部屋を出る前に僕は、ふとドアのところで立ち止まり……最後に1つだけ、水月に問いを投げかける。
「今までと同じの幸せにはなれなくても……今までと違う幸せでもいいから、これからも一緒に幸せでいることは……もう、できないのかな……?」
「――――!」
水月の肩が、ピクッと、一瞬だけ震えたように見えた。
でも、それだけだった。
先刻と同じ、水月は窓の外を見つめたままで。
何も言わなければ、こちらを振り返ろうともしなかった。
その様子は、僕がここにいることすら拒絶しているかのように思えて……。
(それが水月の“答え”なのか……!)
そして僕は病室から走り去った。まるでその場から逃げるように。
水月の面影を、振り切るように……。
やっとわかった。“あの瞳”の語る意味……。
あんな瞳の色……それは、あきらめ。絶望。…深い、悲しみの色。
悲しい心が映し出す、
深い深い、哀しみの色……。
(水月……)
それをみとめた僕は、無意識の内に立ち上がっていた。
だけど水月は、そんな僕を見ようともしなかった。
声をかけてもくれなかった。
ただじっと、窓の外だけを見つめていた。
部屋を出る前に僕は、ふとドアのところで立ち止まり……最後に1つだけ、水月に問いを投げかける。
「今までと同じの幸せにはなれなくても……今までと違う幸せでもいいから、これからも一緒に幸せでいることは……もう、できないのかな……?」
「――――!」
水月の肩が、ピクッと、一瞬だけ震えたように見えた。
でも、それだけだった。
先刻と同じ、水月は窓の外を見つめたままで。
何も言わなければ、こちらを振り返ろうともしなかった。
その様子は、僕がここにいることすら拒絶しているかのように思えて……。
(それが水月の“答え”なのか……!)
そして僕は病室から走り去った。まるでその場から逃げるように。
水月の面影を、振り切るように……。