僕たちの時間(とき)
*
聡が病室から去った後……遠ざかる足音を聞きながら、水月の頬を涙が伝った。
涙はとめどなく、流れ落ちて、うつむいた水月の膝を濡らした。嗚咽がもれ、膝を抱えて突っ伏す。両肩が震える。
水月は声を上げて泣いていた。そのまま、ずっと……。
――それを知っていたのは。
水月を朱く包み込んでいた夕日と、
ドアの外で立ち尽くす満月だけ、だった―――。
聡が病室から去った後……遠ざかる足音を聞きながら、水月の頬を涙が伝った。
涙はとめどなく、流れ落ちて、うつむいた水月の膝を濡らした。嗚咽がもれ、膝を抱えて突っ伏す。両肩が震える。
水月は声を上げて泣いていた。そのまま、ずっと……。
――それを知っていたのは。
水月を朱く包み込んでいた夕日と、
ドアの外で立ち尽くす満月だけ、だった―――。