僕たちの時間(とき)
*
いつの間にか眠ってしまったらしい……。
顔にヒヤッとした感触を感じ、僕は目を覚ました。
頭がズキズキする……吐くほどではないが、気持ちも悪い……。
思わず頭に手をやると、指先に何かが触れた。それは冷たく冷やしたタオルで、どうやら誰かが僕の額にのせてくれたもののようだった。
「あ、気がついた?」
起き上がった横で耳慣れない声がし、僕はそちらを振り返…――ろうとしたと同時に、
「ハイ、お水」と、冷水を満たしたグラスを眼前に差し出された。
そこで喉が渇きを訴えていることに気づき、僕は差し出されたグラスを受け取ると、そのままグラスの中の水を一気に喉へ流し込んだ。
グラスをカラにして一息つき、そこで改めてハッとして振り返った。
――僕の横にいて、この水を差し出してくれたのは誰……?
微笑みながらそんな僕を眺めていたのは、《B・ハーツ》の『はるか』だった。
さっきステージで唄っていた、そのままの姿の。
まだ半分ボケていたせいでもあり、ひどく驚いたせいでもあり……僕は声も出せずに、じっとその『はるか』を見つめてしまった。
(夢、かな…? こんなとこに『はるか』がいるなんて……)
“こんなとこ”と、思ってから気付く。
今、自分はどこにいるのだろう?
――確かカウンターで飲んでいたはずなのに、今自分が座り込んでいるのは柔らかいソファ。
辺りを見回してみると、そこは応接間のようだった。
確か事務室のはしに、こんなスペースがつながっていたっけ…と、思い出す。
そのカウチに僕は寝かされていたらしい。
いつの間にか眠ってしまったらしい……。
顔にヒヤッとした感触を感じ、僕は目を覚ました。
頭がズキズキする……吐くほどではないが、気持ちも悪い……。
思わず頭に手をやると、指先に何かが触れた。それは冷たく冷やしたタオルで、どうやら誰かが僕の額にのせてくれたもののようだった。
「あ、気がついた?」
起き上がった横で耳慣れない声がし、僕はそちらを振り返…――ろうとしたと同時に、
「ハイ、お水」と、冷水を満たしたグラスを眼前に差し出された。
そこで喉が渇きを訴えていることに気づき、僕は差し出されたグラスを受け取ると、そのままグラスの中の水を一気に喉へ流し込んだ。
グラスをカラにして一息つき、そこで改めてハッとして振り返った。
――僕の横にいて、この水を差し出してくれたのは誰……?
微笑みながらそんな僕を眺めていたのは、《B・ハーツ》の『はるか』だった。
さっきステージで唄っていた、そのままの姿の。
まだ半分ボケていたせいでもあり、ひどく驚いたせいでもあり……僕は声も出せずに、じっとその『はるか』を見つめてしまった。
(夢、かな…? こんなとこに『はるか』がいるなんて……)
“こんなとこ”と、思ってから気付く。
今、自分はどこにいるのだろう?
――確かカウンターで飲んでいたはずなのに、今自分が座り込んでいるのは柔らかいソファ。
辺りを見回してみると、そこは応接間のようだった。
確か事務室のはしに、こんなスペースがつながっていたっけ…と、思い出す。
そのカウチに僕は寝かされていたらしい。