僕たちの時間(とき)
 果てしない暗闇の中で、水月の声だけが耳の奥に響いた。


『聡くん、今幸せ?』

『私といて、幸せだった?』


(幸せ、だったよ……水月がいてくれたから……)

 いつかのように、僕はそう答えるだろう。

 いつ問われても、変わらずにそう言える。

 いつかの僕と、同じ気持ちで。


 ――ただ1つ、“現在(いま)の僕”には“これから先”が足りないけれど……。
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