ボクはバカだ
輝統高校入学
入学式当日、雲一つない快晴 とはいかず、今にも雨が降り出しそうな曇り空だった。


自宅から学校までは、電車で1時間、そこから自転車で30分の長い道のりだった。

この日は母親に車で送ってもらったが、明日から毎日電車と自転車で通うのは正直めんどくさかった。


入学式のことはよく覚えていない。
確か校長が最後に みなさんの目標は東大だけです とか言っていたが、内心では、勝手に目標決めるなよ! とつっこんでいた。


入学式が終わり、教室に行くとボクは目を疑った。
ほとんどの人が勉強を始めたのだった。

入学式当日に自ら勉強をする高校生がどこの世界にいる!

あと少しで声が出そうになったが、なんとか我慢した。


5分ほどして担任が教室に入って来た。
50歳ほどで、背が低く小太りで、白髪が少しまざった見るからに教育熱心な男であった。

第一声は、それでこそ輝統高校の生徒だ であった。
それから、勉強していなかった生徒数名が隣の空き教室に連れて行かれた。
もちろんその中にボクも入っていた。
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