ボクはバカだ
出会い
入学式翌日、昨日とは打って変わって雲一つない快晴だった。

気持ちよい天気に弾む足取りで学校に向かった。

慣れない道のりはなんとなく楽しく、昨日のことなど忘れて、あっという間に学校に着いた。


駐輪場である一人の生徒に声をかけられた。

昨日一緒に怒られてたよね?

そうですけど とうなずくと、ものすごい勢いで話しだした。

ホント意味わかんないよね。
オレなんか親に言われて受験したらたまたま受かっちゃって、もったいないからって入学しただけなのにさ。
あんなこと知らないよな。

ずいぶん図々しいやつだなと思いながら、自分も知らなかったんですよ と言うと、またすごい勢いで話しだした。

普通そうだよな。
クラスのやつら絶対頭おかしいって。
お前みたいなやつがいて良かったよ。
あっ、忘れてたけど、オレは佐藤勢也(さとう せいや)。
よろしくな。

ボクは只気弱泰。
よろしくね。


とりあえず悪いやつではなさそうなので安心した。
いじめられているうちに身についた、誰かに話し掛けられると警戒してしまうクセを直さなければ と思った。


それから、勢也のグチを聞きながら教室に向かった。
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