俺と彼女の関係〜真剣な浮気〜
慌てて目を逸らし、心拍数の上がった心臓を落ち着かせようと深呼吸をする。
ガチャリと入口のドアが開き、俺と同じぐらいの年齢の女性が入ってきた。
「おまたせしました、佐々木さんですね」
手に持っていたファイルを見て女性は微笑みながら確認する。
その笑みを見ても俺の心臓はとくに反応せず
「はい佐々木です。11時からの面接に伺いました」
立ち上がって頭を下げる。
「ではこちらへ」
入口のドアを持ったまま外へ促された。
チラッと彼女を見ると、電話で話しながらもこっちを見て目礼してくれて。
少しだけ頭を下げると、女性の後に続き事務所を出た。