俺と彼女の関係〜真剣な浮気〜
しばらく歩くと、飲み屋街を抜ける。
車やトラックが往来する大通りの歩道まで出ると彼女の足が止まった。
「前川さん、何処行くの?」
「私、佐々木さんが好きです」
―――俺と前川さんの声が重なった。
「え?」
彼女の言うことが理解できずに俺は固まってしまった。
「私、佐々木さんに奥さんやお子さんがいても構いません。困らせるようなことはしませんから」
そう言うと涙目で「私の気持ちを受け入れてもらえませんか」と言葉を続けた。
まただ・・・
―――正直うんざりしていた。
だけどトラブルになることだけは絶対避けたい。
―――前川さんは彼女のすぐ近くにいるから。