俺と彼女の関係〜真剣な浮気〜
―――待ち合わせ時間の15分前。
「やばっ!」
俺は空き缶を奴に押しつけるとまたな!と手を挙げ、勢いよく走り出し
1階にあるエレベータを待ち切れず、そのまま非常階段の扉を開けて階段を駆け降りる。
普段なら12階から1階までの移動は絶対にエレベータしか使わない。
運動だといっても途中で休憩しないと息が上がるし体力も続かない。
そんな俺だけど1階まで足を止めることはなかった。
無情にも時計の針はどんどん進む。
時間よ止まれ!
絶対に叶わない願いだけど祈らずにはいられなかった。
この時、俺は知らなかった。
―――「頑張れよ〜」と扉に向かって手を振っていた高橋を・・・