俺と彼女の関係〜真剣な浮気〜
切り抜きをスーツのポケットに入れ、ネクタイが曲がっていないか確認してから呼吸を整える。
『コンコン』
ドアをノックすると「ハイ」と声が聞こえ、すりガラス越しに人影が近づいてきた。
「失礼します」
ドアを開けるとカウンターが置いてあり、女性が2人。
そのうちの1人がカウンターまで来ていて。
―――女性の顔を見た瞬間、電話で話した女性だと思った。
落ち着いた声とは違い、明らかに俺よりも若い。
少し茶色がかったストレートの髪はちょうど胸辺りの長さらしくサイドが顔にかからないよう後ろでとめていて。