愛しい人からのプレゼント



「あの……


お待たせしました。」




晴人さんの車に近づく。





『お疲れ様。

本当に急ごめんね…。


でもさ、携帯も知らないしさ、

店に電話かけるのも悪いと思って…。』





「…いいえ、大丈夫ですよ。」




『この近くにお洒落な居酒屋があるんだけどそこでいいかな??


俺は車だし飲まないけど、メニューもいろいろあって…

オススメだから!!』





「…はい、じゃあそこにしましょ。


私もお酒飲まないんで…。」




車に乗って店に向かう。





でも、私は何となく上の空。



うまく会話出来てないかも…






普段だったら…


仕事終わったらすぐ帰宅。




数ヶ月前に亡くなった彼の事ばかり想ってる…。




仕事中は忘れても帰宅すれば思い出す…。





他の男の人のことなんて気にもしてなかった。




ましてや誘われてご飯なんて…。






そりぁ誘われたら嬉しけど…


彼の事だけを想っていたいのに断れない私…。






何か苦しいかも…





彼にも悪い気もするし…




何も知らない晴人さんにも悪い。





ダメかも…。




テンション下がるかも…。
< 13 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop