愛しい人からのプレゼント
「あの……
お待たせしました。」
晴人さんの車に近づく。
『お疲れ様。
本当に急ごめんね…。
でもさ、携帯も知らないしさ、
店に電話かけるのも悪いと思って…。』
「…いいえ、大丈夫ですよ。」
『この近くにお洒落な居酒屋があるんだけどそこでいいかな??
俺は車だし飲まないけど、メニューもいろいろあって…
オススメだから!!』
「…はい、じゃあそこにしましょ。
私もお酒飲まないんで…。」
車に乗って店に向かう。
でも、私は何となく上の空。
うまく会話出来てないかも…
普段だったら…
仕事終わったらすぐ帰宅。
数ヶ月前に亡くなった彼の事ばかり想ってる…。
仕事中は忘れても帰宅すれば思い出す…。
他の男の人のことなんて気にもしてなかった。
ましてや誘われてご飯なんて…。
そりぁ誘われたら嬉しけど…
彼の事だけを想っていたいのに断れない私…。
何か苦しいかも…
彼にも悪い気もするし…
何も知らない晴人さんにも悪い。
ダメかも…。
テンション下がるかも…。