雪の雫に濡れた夜
第二章
囁く声
*
あれから、3日
結局、斗哉に何も聞く事は出来なかった。
「おい、シュイ。斗哉の調子はどうだ?」
夕暮れ時、開店前の店でカウンタ―に突っ伏している私を、慎がマドラーで突つく。
「…今は私のアパートで寝てる。手当てはしたけど、病院は行かない、って」
「なんで?」
「そんなの、私が聞きたいよ…」
「聞けばいいじゃん」
「じゃあ、慎が聞いてきて」
「なんで、お前じゃダメなんだよ?」