雪の雫に濡れた夜
まさか、と顔をあげる。


「そんな所で酔いつぶれて寝たら、体調崩して、歌えなくなるぞ」


雪に濡れた黒髪の斗哉が、いた。



「斗、哉…」


もう届かない、と思っていた

 声が
 匂いが、

 こんなに近くに



「ー…何?そんなこというために、中央都からわざわざ来たの?」


 違う、

 こんな事を、言いたいんじゃない。


 もっと、

 聞きたい事が、
 
 言いたい事がー






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