雪の雫に濡れた夜

「ただ、オレが行くまで《スピカ》」から一人で出るなよ」

「うん…」


斗哉は窓際のソファに座り、煙草をくゆらせる。

「…何を、見てるの?」

「色々、街の様子とか、空の様子とか」

「…何を考えながら?」

「当てたら、ご褒美やるよ」

 
 ほら、そうやって、はぐらかす。

 
 でも、私も同じか、
 聞きたいのに、はぐらかした。
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