キミが好きなのに
プロローグ
目線の先に女の子に囲まれている橘(タチバナ)くんを見つけた。
「由菜!」
私の姿に気づいたのか、そう言って駆け寄ってきた。
でも、呼ばれた名前に痛みを感じた。
だって……。
だって、私は……由菜じゃないから───‥‥。
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