キミが好きなのに



指定された席に座ると、橘くんが手を握ってきた。


──ドキッ


どうしよう。ドキドキするよ。




暗い劇場の中スクリーンに映し出される映画の予告を見ながら平常心を保つことに必死だった。


チラッと橘くんを見れば平然としていて、私はドキドキを誤魔化そうと、ジュースを口に運びながら映画が始まるのを待った。




やがて。


予告も終わり映画が始まった。




< 13 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop