キミが好きなのに



「オレたちも出よう」



パッと立ち上がった橘くんは、私が立ち上がるのを見ると、ギュッと手を握ってきた。



わわっ!


駄目だよ。

いちいちドキドキしてたら駄目。

でも。でも……っ。



「……な。由奈。ソレ貸して?」

「え?……うん」


繋いでいない手に持っていた、ジュースが入ってないカップを渡すと、橘くんは捨ててくれた。


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