キミが好きなのに
デートの始まり
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事の始まりは数時間前。
「美菜(ミナ)!わるいけど私の変わりにデートに行って!」
バンッとドアを開けて入ってきた、双子の姉、由菜(ユナ)の言葉にただただ驚いた。
「変わりに、って……え?なんで?」
疑問に思ったことをそう口に出した。
「なんか体調悪いんだよね」
「え!?大丈夫?」
「うん。家でおとなしくしてるから。でも、約束しているから断ること出来ないの」
由菜はジッと私を見ると、パンッと手を合わせてきた。
「だから、お願い。私のフリして行って?」
「そ、そんなの無理だよ……」
無理。
無理なんだ……。
「私たち双子なんだから見た目じゃバレないって」
た、確かに……それはそうかもしれないけど……。