キミが好きなのに
ガヤガヤとしているゲームセンター。
ギュッと手を握って歩いて行く。
「由菜。なにか取って欲しいものとかあるか?」
「……え」
取って欲しいもの?
「今日の記念に取ってやるよ」
記念。
その言葉が妙に頭に残った。
そうだよね。
今日が終わったら、私が橘くんとこんな風に話したり、手を繋いだりとか……ないんだよね。
だって私は、由菜の変わりに橘くんといるんだもん。
由菜のお願いで橘くんと……。