キミが好きなのに



そんな橘くんを不思議な思いで見ていると……。


私の手を取った橘くんは、その手をギュッと握り締めてきた。




──ドキンドキン



由菜。

私は由菜を裏切って橘くんにドキドキしてる。


由菜を裏切って、キスを……っ。



苦しい。
由菜のフリをするのは、とても苦しいよ。



「由菜。大事な話があるんだ」


やけに真剣な目をしてる橘くん。


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