キミが好きなのに



「俺……嫌なんだ」


くるっと振り返って橘くんはそんなことを口にした。



「アイツが、ココに、肩に触れたとき触るなって思った」


アイツ?

それって、さっきの偶然会った同じ学校の人。

橘くんや由菜と同じクラスの……。


片方の手で同じところに橘くんは手を置いた。




「俺は!」


なにか思い詰めたような声を出す。

グイッと抱き寄せられて、背中に手が回ってくると、また唇にあの感触を感じた。



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