キミが好きなのに



「……!?」


駄目!

私は由菜じゃない!!


キスなんてしちゃダメだよ……。



「だ、め!」


一度はなれた唇がまた触れそうになってそう言った。


予想にもしていなかった私の言葉に驚いた橘くんはピタッと止まった。


「だ、めなの……」


私じゃないの。

私じゃないから……っ。


思ってる内に涙が溢れてきた。



「違うの。私は、私は……っ、由菜じゃない…っ」



ポロポロと涙を溢しながら、私は言ってしまった───‥‥。




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