キミが好きなのに
橘くんの隣が似合ってるのは由菜。
だって、二人は両想いなんだから っ。
だから、橘くんは、キスなんてこと……っ。
「今日のデート……由菜には上手くいったって、っ 伝えるから」
涙でいっぱいの顔で笑顔を浮かべた。
もう、橘くんから離れなくちゃ っ……。
「橘くんは、なにも知らないフリしてあげてね」
そう言って橘くんの横を通りすぎようとした。
けど……。
橘くんは私の腕をギュッと握ってきた。
「は、はなして……っ」
なんで っ。
もう、私を引き止める理由なんてないのに……。